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2014年5月19日

「忍耐力」の自己評価日本は最下位

 経済協力開発機構(O E C D)が2 012 年に実施した国際学習到達度調査( P I S A )の「問題解決能力」の調査で、日本は、シンガポール、韓国に次いで3位と世界最高水準だった。その一方、同時に行われた「忍耐力」と「柔軟性」についてのアンケートでは、参加した4 4か国・地域で最下位で、自己評価が低いという特徴が明らかになった。
O E D C の定義によると、「問題解決能力」は解決方法がすぐにわからない問題について、「状況を理解し、解決のために、持っている知識や技能を活用して取り組む力」で、自ら進んで問題解決にかかわろうとする「意思」も含まれる。「忍耐力」に関する質問では「困難な問題に直面するとすぐにあきらめる」「難しい問題は後回しにする」に、「よくあてはまる」や「ほとんどあてはまる」と回答した割合が、日本は参加国・地域中でもっとも高かった。また、「柔軟性」に関する質問では、「物事の理解は早いほうだ」「多くの情報を扱うことができる」と考えている割合は最低だった。
この調査は、「問題解決能力」に影響する要因を調べるのがねらいだったが、相関関係はいずれも高くなかった。日本は、得点は高いものの、学習意欲や自己肯定感が他国に比べ低いという姿が浮き彫りとなった。ただ、文部科学省では、「あくまで自己評価なので、実際の忍耐力や柔軟性を客観的に示したものではない。控えめに回答する国民性が影響している可能性もある」と分析している。