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2022年1月12日

「神経性やせ症」の子ども コロナ禍で1.6倍に

コロナ流行前の2019 年度と比較して、20 年度に神経性食欲不振(神経性やせ症)と新たに診断された子どもが約1.6 倍に増えたことが、国立成育医療研究センターの「コロナ禍の子どもの心の実態調査」で明らかになった。同センターは、コロナ禍でのストレスや不安が影響していると推測している。
神経性やせ症は摂食障害の一つで、極端に食事制限をしたり、過剰な食事後に吐き出したりするなどして、正常体重より明らかに低い状態になる疾患で、病気が進行すると日常生活に支障をきたすこともある。
調査は21 年4~6月、子どもの心の診療ネットワーク事業の全国26 医療機関にアンケートを送付し、20 歳未満の患者について回答を得た。
20 年度に初めて外来診療を受け、拒食症と診断された男性は28 人(19 年度17 人)、女性は230 人(同141 人)で、それぞれ約1.6 倍に増えた。新たに入院した患者は、男性9 人(同6人)で約1.5倍に、女性132 人(同93 人)で約1.4 倍に増加している。
神経性やせ症の患者増加の背景には、緊急事態宣言や学校の休校などの生活環境の変化によるストレスや、友達に会えないこと、感染症への不安などがあると推測される。同センターが実施した、「コロナ×こどもアンケート」第5回調査(21 年2~3月実施)では、回答者(6~18 歳)全体の76%に何らかのストレス反応がみられた。
また、コロナ太り対策のダイエット特集の報道やSNSでの情報に、子どもたちが影響された可能性も考えられるという。第5回調査では、いまの自分の体型について回答者(9~18 歳)全体の38%が、「太りすぎ」「太りぎみ」と思っていると回答し、48%がやせたいと思っていると回答していた。

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