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2014年4月14日

子どもの成績保護者の影響大

昨年4月に実施された全国学力テストで、世帯収入や保護者の学歴が高いほど成績がよいことが、文部科学省の分析で明らかになった。家庭の状況に起因する子どもの学力格差は以前から指摘されてきたが、全国規模の調査結果で裏づけされたのは初めて。
家庭の年収では、小学6年生の算数B(応用)で「2 0 0 万円未満」の平均正答率が4 5 .7 % だったのに対し、「15 0 0万円以上」は71. 5 %で、塾などの学校外の教育費支出が高いほど学力も高い傾向だった。
一方、家庭の状況が不利でも学力が上位4分の1に入る児童生徒の特徴を調べたところ、保護者が教育に熱心であることがわかった。規則正しい生活習慣や読書活動、親子で勉強や成績の会話をする、授業参観や運動会など学校行事に保護者が参加する――などが、不利な家庭環境でも学力上位の子どもたちの特徴だった。
また、2 0 1 2 年に経済協力開発機構(O E C D )が実施した国際学習到達度調査(PISA)では、日本の子どもの成績は、諸外国に比べて親の職業に影響されにくいという分析結果が出た。保護者の職業が「管理職・専門職」と「単純作業従事者」とに分類された生徒の数学的リテラシーの平均得点の差をみると、日本は「管理職・専門職」を保護者に持つ生徒の平均得点が3 5点、「単純作業従事者」を保護者に持つ生徒の平均得点が7 5 点、それぞれO E C D 平均を上回っていた。また、「管理職・専門職」を保護者に持つ生徒と「単純作業従事者」を保護者に持つ生徒の得点差は、日本は小さかった。