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2021年1月6日

理数の国際調査 高水準でも低い肯定感

58 か国・地域の小学校と39 か国・地域の中学校が参加した2019 年の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)で、日本の小中学生は、算数・数学、理科ともに引き続き高い水準を維持。しかし、「勉強は楽しい」と答えた割合は小学校算数、中学校数学および理科で国際平均を下回っていた。
調査は、国際教育到達度評価学会(IEA)が1995 年から4年ごとに実施。日本は、小学校4年生約4,200 人(147 校)、中学校2年生約4,400 人(142 校)が参加した。
日本の平均得点は、小4理科が562 点(前回比マイナス7点)で、前回より一つ順位を下げて4位。中2数学は594 点(同プラス8点)で、前回に続き過去最高を更新し、順位は一つ上がり4位。小4算数は593 点(同増減なし)で前回と同じ5位、中2理科は570 点(同マイナス1)で一つ下がって3位だった。
国・地域別では、いずれの科目・学年でもシンガポールの平均得点が最高で、韓国、台湾、香港など東アジアが上位を占めた。
一方、質問紙調査では、小学校、中学校ともに、算数・数学の「勉強は楽しい」「得意だ」と答えた児童生徒の割合は増加しているものの、国際平均より下回っていた。中学校では、「数学を勉強すると、日常生活に役立つ」と回答した生徒の割合は73%(国際平均81%)、「数学を使うことが含まれる職業につきたい」は23%(同49%)と、いずれも国際平均を下回っていた。
小学校では、理科の「勉強は楽しい」と答えた児童の割合は92%(同86%)で国際平均を上回った一方、中学校では70%(同81%)。「理科の勉強をすると、日常生活に役立つ」は65%(同84%)、「理科を使うことが含まれる職業に就きたい」は27%(57%)と、いずれも国際平均を下回っていた。
また、小4の理科では、正答率が37%と国際平均(45%)より低かった砂漠の絵から「生き物」を探す問題で、生き物、動物、虫、昆虫、植物といった言葉の意味が正しく理解されていない可能性がうかがえた。

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