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2020年2月12日

日本の15歳読解力が急落 科学・数学はトップクラス

 経済協力開発機構(OECD)の2018 年の国際学習到達度調査(PISA)の結果が公表された。参加79 か国・地域の中、日本は数学的リテラシーが6位、
科学的リテラシーは5位と上位を維持したが、読解力の平均点が落ち、順位も前回調査の8位から15 位と低下。00 年の8位、03 年の14 位、06 年の15 位
以来の続落となった。

 読解力問題で、日本の生徒の正答率が比較的低かった問題には、テキストから情報を探し出す問題や、テキストの質と信ぴょう性を評価する問題などがあった。
選択肢から正解を選べても、大量の情報から必要なものを選び出したり、情報を疑ってみたり、自分の考えを表現したりする力に、引き続き課題がみられた。
誤答には、自分の考えを他者に伝わるように記述できず、問題文からの語句の引用のみで説明が不十分な解答となるなどの傾向がみられた。

 今回の原因について文部科学省は、生徒の読解力だけでなく、調査方法へのとまどいなど、多様な要因が複合的に影響している可能性があるとしている。

 また、学校外での平日のデジタル機器の利用状況をみると、日本の子どもたちは、チャットやゲームで遊ぶ割合はOECD の平均を超えているが、
コンピューターを使って宿題をする割合はOECD 平均の22.2%に対し、3.0%と大幅に低かった。授業でデジタル機器を使う時間も、日本はOECD
加盟国の中で最下位だった。

 専門家は、スマートフォンやSNS の普及で、子どもたちの読み書きやコミュニケーションが「短文中心」になっていることや、正解のない課題に
対処する「課題解決型能力」を養う指導が十分できていないことを指摘。また、本や新聞などをよく読む子どものほうが平均点が高いことから、
読書量の減少も影響しているとみられる。

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