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2019年10月30日

中学英語の4技能 指導のポイントを冊子に

 今年度の全国学力・学習状況調査で、中学3年生で初めて実施された英語の4技能の平均正答率は、
「聞く」が68.3 %、「読む」が56.2%だったものの、「書く」は46.4%、「話す」は30.8%と5割未満という結果だった。
まとまりのある英文を書いたり、即興で質問を考えて話したりする設問は正答率が低く、課題がみられた。

 こうしたなか、岡山県教育委員会は、2017年度から県独自の学力学習状況調査に英語を導入。
中学2年生(岡山市を除く)を対象に、「聞く・読む・書く」の3技能についての定着状況や課題を明確にし、授業改善に向けた研究をすすめてきた。
そして、昨年3月、中学生の英語4技能を高めるための指導ポイントをまとめた資料、「中学校英語4技能をバランスよく育成するために」を作成。
さらに、前記資料の趣旨を踏まえたリーフレット「授業改善のすすめ」をまとめ、このほどホームページに公開した。

 資料冊子では、4技能の指導ポイントについて、豊かな表現力を身につけさせ、それぞれの技能を実際のコミュニケーションで活用できるよう、
4技能をバランスよく育成するポイントを解説。
たとえばリスニングでは、正確な聞き取りに加え、全体の概要をつかむ力や必要な情報を聞き分ける力が求められることや、理解した内容を英語で
記述するなど、発展的な学習の必要性を指摘している。

 冊子と同時に公開した「授業改善のすすめ」では、生徒の4技能向上で著しく成果があった県内校の取り組みを技能別に分析し、特長を紹介。
スピーキングでは、ペア活動で制限時間内にできるだけ多くの語句や文を言う練習をすることや、言いたいことをすぐに言えるようにするため、
繰り返し練習させ定着を図ることなど。ライティングでは、語や文法の間違いにとらわれすぎず、まずは書くことに慣れさせ、自分の考えや
思いを表現する題材を設定することなどを紹介している。

 さらに、教員が授業の振り返りをするセルフチェックリストもあり、授業改善に生かせるように工夫されている。

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