2019年2月20日
「放射線副読本」改訂 避難いじめ防止を強調
文部科学省は、東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて作成
した「放射線副読本」を、4年ぶりに改訂した。
旧版の副読本は2部構成で、第1章では事故で放出された放射線物質による被害状況などを
取り上げ、第2章で放射線とは何かを学ぶ形だった。しかし、2016 年には、福島県から
横浜市に自主避難した男子生徒へのいじめが表面化。こうした問題の背景として、正しい知識の
理解の欠如と福島県の現状に対する認識不足が指摘され、副読本の見直しが求められていた。
こうしたなか、昨年10 月に文科省がホームページで公開した改訂版では、放射線に関する
科学的な知識を理解したうえで、原発事故の状況や復興に向けた取り組みを学ぶ観点から、
第1章で放射線に関する科学的な知識に関する内容、第2章で原発事故や復興に向けた取り組
みなどを記載。1986 年に旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故との違いも明記した。
さらに、放射線の健康影響に関する記述を、「未だ明快な結論は出ていない」から、
「健康に影響が及ぶ数値ではなかった」として、福島県の内部被ばく検査の結果などを記載。
避難いじめ防止を強く呼びかけている。
副読本は、小学生用と中高校生用の2種類あり、全国の小・中・高校に順次配布される。
関連リンク:http://gakken-juku.com/news_parents/