2019年1月30日
読解力の課題 算数・数学にも影響
東京都が独自に実施している、2018 年度「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の
結果についての分析で、読解力に課題があることがわかった。調査は、小学校5年生と
中学校2年生を対象に実施。
中学校の数学で、条件によって割引率が変わるスーパーの冷凍食品の価格について、
割合の考え方を用いて問題の条件に合った方程式を答える設問がでた。割引が実施される
2つの条件を比較し、金額の差が90 円となるときの方程式を答える小問では、正答率が7.9%。
無回答が34.4%だった。小問は問題文が長文だったため、問題の意味を十分に読み取ること
ができなかった生徒が一定数いたとみられる。
読解力について、読書量が算数の学力に大きく影響するという調査結果を、ベネッセ教育
総合研究所がまとめた。読書が、文章中に与えられた問いや条件を正確に読み取る力を高めて
いるのではないかとみている。
調査は2016 年8月から17 年12 月にかけて、小学校5年生(調査開始時)約4万人を
対象に、本を読んだ数と学力テストの結果を分析。その結果、10 冊以上読んだグループは
4教科の平均値が1.9 ポイント上がったのに対し、読書をしないグループは0.7 ポイント
下がった。いずれの教科も読書量が多いほど偏差値が上がり、特に算数では「多い」と
「しない」グループの間に4.8 ポイントの差がついた。また、当初の学力が低い子どものほうが、
読書による学力の伸びが大きいこともわかった。
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