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2018年11月14日

学歴・所得より「自己決定」が幸福感に

 国連の2018 年度「世界幸福度報告書」では、調査対象の156 か国中、日本の幸福度ランキ
ングは54 位で、昨年の51 位から後退。こうしたなか、学歴や所得よりも、自分の進路を
自分で決める「自己決定」が幸福感に強い影響を与えているという調査結果を、神戸大学と
同志社大学の研究チームが発表した。
 神戸大学の西村和雄特命教授(数理経済学)らは、20 ~ 69 歳の男女約93 万人にインター
ネットでアンケート調査を配信し、約2万人から有効回答を得た。約100 個の質問への回答を
もとに、所得、学歴、自己決定度、健康、人間関係の5つの要因が幸福感にどう影響しているか
を分析。自己決定度の評価では、「中学から高校への進学」「高校から大学への進学」「初め
ての就職」について、自分の意思で進学する大学や就職する企業を決めたか否かを尋ねた。
 その結果、健康と人間関係に続いて、自己決定度の影響が大きかった。進学先や初めての
就職先を「自分で希望を決めた」を選んだ人ほど幸福感が強く、「全く希望ではなかったが
周囲の勧めで決めた」を選んだ人ほど不安感が強い傾向がみられた。自己決定によって進路を
選んだ人は、自らの判断で努力することで目的を達成する可能性が高くなり、成果に対しても
責任と誇りをもちやすくなることから、達成感や自尊心により幸福感が高まることにつながって
いると考えられるという。

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