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2018年9月19日

全国学力テスト、底上げ傾向でも「理科好き」減少

 今年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果が公表された。
3年ぶりに実施された理科では、下位県と全国平均の差が前回より縮小し、
改善傾向が続いたものの、中学校での理科離れの傾向が顕著となった。
 理科について、実生活の事象と関連づけた授業をした小学校の割合は、
「よく行った」「どちらかといえば行った」を合わせて85.7%、中学校は
90.6%に達した。
 一方、「理科の勉強が好きですか」の質問に肯定的に答えた割合は、小学校83.5%、
中学校62.9%で、前回と同様20 ポイント以上の開きがあった。さらに、「理科の授業で
学習したことは、将来、社会に出たときに役に立つと思いますか」の質問でも、小学校73.0%、
中学校56.1% で、中学校は肯定的な回答が16.9 ポイント下回っていた。
 国語と算数・数学の結果は、例年同様、基礎的な知識を問うA問題と応用力をみるB問題で
平均正答率に大きな差が出た。平均正答率の差は、小学校国語16.1 ポイント、算数12.0ポイント、
中学校国語14.7 ポイント、数学19.0 ポイント。
 B問題には新学習指導要領に育成が盛り込まれた「思考力・判断力・表現力」が反映される。
しかし、これまでもB問題の正答率がA問題を上回ったことはなく、長年指摘を受けながら、
思考力などに裏打ちされた応用力が伸び悩む状況は改善されていない。
 こうしたなか、文部科学省は、2019 年度の全国学力テストから、A問題とB問題の区別を
なくし、双方を一体的に問う形式にすることを決めた。20 年度に新学習指導要領が全面実施
されるのを見据え、基礎知識を思考力・判断力・表現力に反映できるようにするねらいがある。

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