これだけは知っておきたい教育NEWS

2017年9月13日

中学生の英語力 「話す」「書く」で大差

 文部科学省は、平成26、27 年度に続き中学校3年生を対象に、「平成28年度英語教育改善の
ための英語力調査」を実施。その結果、「話すこと」
「書くこと」について、上位レベルと下位レベルの差が大きいといった課題が浮かび上がった。
 調査は、全国の公立中学校から無作為抽出した502 校の約47,000 人と、国立大学法人
附属の中学校、中等教育学校(前期課程)全77 校の約10,000 人を対象に、「聞くこと」「書
くこと」「読むこと」の3技能を測る約75 分間のテストを実施。さらに、各校1クラスに「話すこと」
の試験を10 分程度行った。
 「読むこと」では、前年同様、短文レベルの語彙・語法問題や、情報検索問題のなかには、正解率
が70%を超えるものもあった。一方、英文全体の意味を把握し、文脈や前後関係をおさえながら
読むことや、まとまった英文を読み、概要や要点を読み取ることに課題がみられた。
 「聞くこと」では、短文で問われている語句が直接示されている場合は、正答率が90%以上の
ものもあったが、英文を聞く際に、印象に残りやすい語句に引きずられてしまう傾向があった。
また、1文のなかに不慣れな単語や表現が含まれると、全体の意味の把握に困難が生じた。
 「書くこと」では、約67%の生徒が自分の「考え」、約68%の生徒が自分の考えに対する「理
由」を書くことができたものの、無得点者が15.6%と非常に高く、そのほとんどが無解答
だった。また、文を作ることはできても、まとまりのある文章を書くことにも課題があった。
 「話すこと」では、約90%の生徒において、聞き手がある程度理解できる発話ができ、約
75%の生徒が、身近な話題に関する即興的な質問に対しておおむね応答できた。しかし、約
40%の生徒は、時制の誤りや使える文法・表現が限定的な回答で、自分の考えや経験に基づい
て意見や理由などを述べることに課題があった。
 あわせて実施された公立学校の生徒への質問紙調査では、英語の学習が好きではないと回答
する生徒が半数近くを占め、そのうち33.7%が「英語そのものが嫌い」を理由にあげた。一方
で、小学校の外国語活動が好きだったと回答した生徒は半数以上いた。

関連リンク:http://gakken-juku.com/news_parents/