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2017年6月7日

「聖徳太子」「鎖国」中学教科書に復活

2021年から全面実施される中学校の新学習指導要領で、歴史の教科書に「聖徳太子」や
「鎖国」という表記が復活することになった。
 文部科学省が2月に公表した次期学習指導要領改訂案では、聖徳太子の表記を、小学校で
「聖徳太子〈うまやどのおう〉」、中学校は「うまやどのおう(聖徳太子)」としていた。学会などの
歴史研究をふまえたもので、小学校ではよく知られた「聖徳太子」を、中学校では史実を重視して
「うまやどのおう」を前に出した。
 しかし、改訂案についてのパブリックコメントで、「小中で表記が異なると教えづらい」といった
声が相次いだことから、現行の「聖徳太子」に戻した。中学校の指導要領では、「古事記や日本
書紀で『うまやどの皇子』などと表記され、後に『聖徳太子』と称されるようになったことに触れる」と
加えられた。大和朝廷についても改訂案で「大和政権(大和朝廷)」としたが、前後を入れ替えて
「大和朝廷(大和政権)」となった。
 また、「元寇」も、モンゴル帝国の拡大をイメージしやすいように、中学校では「モンゴルの襲来
(元寇)」に変える予定だったが、「元寇(モンゴル帝国の襲来)」と従来の表記に。「鎖国」も、改訂
案では「幕府の対外政策」としたが、「『開国』があるのに『鎖国』がないと教えづらい」などの
意見が多かったため、交流が制限されたのは事実だとして、「鎖国などの幕府の対外政策」と元に
戻された。

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