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2017年5月24日

日本の15歳 低めの生活満足度

経済協力開発機構(OECD)の2015年の「生徒の学習到達度調査」( P I S A )では、『生徒の
well-being(健やかさ、幸福度)』を調査した。満足度を最高の10から最低の0まで11段階で
聞くと、日本の15歳(高校生)の平均値は6.8で、OECD平均の7.3より低く、47か国・地域のなかで
43番目という結果だった。
 調査は、全体として72か国・地域の15歳、約5 4 万人が参加。日本は高校など1 9 8 校の
約6,600人が参加した。
 OECDは“生徒のwell-being”を、「生徒が幸福で充実した人生を送るために必要な、心理的、
認知的、社会的、身体的な働きと潜在能力」と定義。人生全体に関わる総合的な概念を、いくつかの
側面から浮き彫りにしようとの意図で設問した。それによると、日本は「満足( 7 ~ 8 ) 」が
3 7 . 3 % で最多。「十分に満足( 9 ~ 1 0 ) 」は23.8%、「まあ満足(5~6)」が22.9%、「満足し
ていない(0~4)」が16.1%だった。
 満足度の最高はドミニカ共和国の8 . 5 で、メキシコ8 . 3 、コスタリカ8 . 2 などが続いた。
一方、特に満足度が低い1 0か国のなかには、東アジアの香港、マカオ、台湾、韓国など6か国が
含まれている。
 分析を担当する国立教育政策研究所はこの結果を、生徒の主観的な満足度を尋ねるなかで、
東アジアが低く、中南米が高いなどの地域的偏りがみられたことからも、「社会的文化的要因を考慮
してデータを解釈する必要があり、単純な比較はできない」と説明。今回の結果について、「日本人は
評価が控えめの傾向がある」とみている。
 また、生徒の学校への所属感について明らかにするため、「学校でよそ者だ(またはのけ者にさ
れている)と感じる」など6つの質問項目から指標を作成。OECDの加盟国指標の平均値が0.0で、
標準値が1.0になるように標準化してあり、値が正で大きいほど所属感が強いことを意味する。
日本の生徒の指標の平均値は-0.03で、OECD平均0 . 0 2より低く、回答した6 9か国・地域の
なかで34番目に位置した。

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