2016年12月6日
中学生の職業志向「安定」と「夢」重視
中学生は将来就く職業について、「安定している」ことと「自分の夢を叶えられる」ことを重視―。
「中学生の将来希望と職業志向性」についての研究結果が、多喜弘文法政大学准教授に
よって第6 8 回日本教育社会学会で発表された。研究は、東京大学社会科学研究所が全国の
中学校3年生を対象に実施した「中学生と母親パネル調査」の一環として実施。4117人に郵送
調査を行い、1854人から有効回答を得た。
どこまで教育を受けたいかを尋ねた教育希望についての設問では、もっとも多かったのは
「大学まで」との回答で60.1%。次いで「高校まで」が13.3%、「専門学校まで」が10.8%。
将来就く職業に関して何を「とても重視する」かを尋ねた職業志向性に関する設問では、
もっとも多かったのは、「安定している・倒産しない」61.9%。次いで「給料がよい」38.9%、
「残業が少ない・休日が多い」22.1%。「有名な会社である」は12.4%で、知名度より安定志向が
うかがえる結果だった。また、自己実現については、「夢を叶えられる」が5 7 . 4 % 、
「才能が生かせる・伸ばせる」が50.8%、「技術や専門的な知識を生かせる」が46.8%となった。
過去に同じ質問内容で行った高校2年生の調査結果と比較すると、教育希望の結果は
ほぼ同じ分布だったが、職業志向性の自己実現では「とても重視する」の割合は、
すべてで中学生が高校生を上回っていた。多喜准教授は、「中学生のほうが明らかに夢を持っているといえる。
高校生になると、職業的な自己実現をあきらめる傾向がわかる」とし、2年後に追跡調査を行い、
さらに検討していきたいとしている。
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