これだけは知っておきたい教育NEWS

2016年11月16日

全国学力調査、10年目下位県の底上げ進む

 今年4月に実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果が発表された。
前年に比べ、下位3県と全国平均の差が8科目中5科目で縮小し、改善傾向が明らかになった。
一方、知識の活用力をみる問題では説明能力に課題がみられた。
 今回は国公私立の小中学校計約3万校の約224万人の小6と中3の児童生徒が参加。
国公立は全員が対象で、私立は希望校で小中とも約50%の学校が参加した。
 公立の平均正答率は、石川県が小学校国語Aと算数A、Bで、福井県が数学A、Bでトップだった。
都道府県ごとの結果について、各年度の全国平均を100として、下位3県の平均と全国平均の
差を比べたところ、小6算数Bで前年度の1.3ポイントから0 . 8ポイントになるなど、5教科で
0.1~0.5ポイント縮小。下位3県と上位3県との差も、中3数学Bで0.3ポイント拡大したほかは
軒並み縮小し、小6国語Bでは1 . 2ポイント縮小し、底上げ現象がみられた。
 調査開始の2007年度と比べると、下位3県と全国平均の差は、小6の算数Aが2.5ポイントから
1.0ポイントに縮小、中3国語Bで3.2ポイントから1.3ポイントになるなど、8教科中7教科で
平均に近づいた。
 文部科学省では、上位常連の秋田県や福井県など優れた取り組みを各県が採り入れ、
全体の向上が進んだと説明している。
 また、文科省は同時に実施したアンケートから、学校の取り組みが学力にどう影響するか、
初めて家庭の経済力も加味して分析した。その結果、経済的に苦しい家庭の子が多い学校も、
学力向上に向けて努力していれば、平均正答率が高まる傾向がみられた。

関連リンク:http://gakken-juku.com/news_parents/