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2016年1月13日

中3対象に独自テスト 結果を内申点に活用

 文部科学省は、平成28年度の全国学力・学習状況調査の実施要領を決定し、「調査結果を直接
または間接に入学者選抜に関して用いることはできない」と明記した。これを受け、調査結果を
高校入試の内申評価の基準づくりに使う計画だった大阪府教育委員会は、平成28年度から
府内のすべての中学3 年生を対象にした統一テストを新設することを決めた。
 大阪府内の公立中学校は、昨年度まで全国で唯一、相対評価で内申書を作成してきた。
しかし、相対評価では、同じ学力の生徒でも、学力レベルが高い学校にいる生徒は
評価を抑えられがちになる。
 「通学する学校のレベルで内申点に差がつくのは不公平だ」という批判を受け、府教育委員
会は今年度から絶対評価を導入した。しかし、制限なくよい評価をつけられる絶対評価には、
「評価のインフレ化」の懸念も指摘されていた。
 統一テストは国数英理社の5教科を対象とし、6月下旬に実施を予定。中学校ごとの学力
レベルを測り、テストの結果をもとに中学校を5~1のレベルに分け、各校の内申点の平均が
指定レベルに収まるようにする。
 成績のよい学校は高い内申点の生徒が増え、振るわない学校では評価を抑えることになる。
たとえば、4にレベル指定された学校では、半分の生徒に5、残りの半分の生徒に3をつけれ
ば、平均は4となり、指定レベルに収まる。一方、2のレベルの学校では、5などよい評価を
つけると、1や2を多くつけないとレベルに収まらなくなる。
 絶対評価は他の生徒と比較しないで、各生徒の目標達成度をみるものだが、府教育委員会は、
これに各校のレベルを比較する相対評価を加味する。レベルに応じて内申点のつけ方に一定
の制度を設ける試みは、他県の教育委員会も注視している。

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