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2013年12月6日

デジタル教科書導入 小中で効果を検証

 熊本県教育委員会は、子どもたちがタブレット型PCを使って学ぶ「デジタル教科書」を、公立の中学校2校と小学校6校で導入する。県教育委員会は今年度からICTの活用を推進しており、デジタル教科書の導入はその一環で、効果を検証する目的もあるという。
 教科は国語、数学(算数)、理科、社会、英語の5教科で、文部科学省の検定を経た教科書を、同省がデジタル化した教材を使う。中学校1校では、デジタル教科書を使ったクラスと使わなかったクラスで、学力に差が出るかを分析する。
 デジタル教科書は、動画、画像、文章など多彩な表現が使われているため、学習効果が高いとされている。2012年に中央教育研究所が実施した調査では、デジタル教科書で「(児童生徒の)勉強への興味が増す」と考える教員は78%、「授業へ積極的に参加するようになる」が58%だった。その一方で、「学力が向上する」については「そう思わない」が54%あった。
 賛否両論あるなか、公立学校へのタブレット端末導入を決める自治体が出はじめていることもあり、教科書大手12社は、デジタル教科書を閲覧するソフトウエアの共同開発を開始した。現在、デジタル教科書として市販されているのは主に教員用で、児童・生徒用は文科省が実証研究用に制作した小・中学生向け10教科のほか、教科書会社3社が今春発売した高校用しかない。大手12社共同で開発を進めるデジタル教科書は、小学校の教科書が改訂される15年4月までに、小学校版を完成させる予定だ。
 また、文科省も12社とは別に、デジタル教科書に求められる機能を検討しており、来年度以降、実証実験を行う予定だ。