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2015年4月8日

「脱ゆとり」に一定成果 依然、思考・判断力に課題

 文部科学省は、小学校の現行学習指導要領(2008 年3月改訂、11年度実施)の定着度を
みる「学習指導要領実施状況調査」の結果を公表した。旧指導要領だった前回調査(0 3 年
度)より、基礎知識を問う問題については改善傾向にあるものの、「思考力・判断力・表現力」
には依然として課題がみられた。
 調査は、学習指導要領の改訂を踏まえて、ほぼ10 年に1度実施されている。今回の調査対
象は、公立小学校4~6年生で、全国から911校の約11万2 , 0 0 0人を抽出。13 年2~3月
に教科別テストと学習意欲などを聞く質問紙調査の2種類で実施した。
 主に基礎問題を問う前回調査と同一の問題は、計4 5問のうち半数を超える2 3 問で前回
調査の結果を上回り、知識の定着に関しては改善がみられた。一方、思考力・判断力・表現
力をみる問題では、国語が計7問のうち6問で正答率6 0 % 未満という結果だった。同様
に、算数は、3 6問中2 0 問、社会は57問中16問、理科は16 4 問3 5 問が正答率6 0 % 未満
だった。
 質問紙調査では、各教科の学習について、「普段の生活や社会に出て役立つか」と聞いた
ところ、小学校6年生では主要4教科のうち「そう思う」の割合が最も高かったのは算数の
57%。最低は理科の36%だったが、4教科とも前回調査より9~13ポイント上昇。
 また、「何のために勉強しているか」との問い(複数回答)では、4年生で最も多かったの
は「わからないことを知りたいから」6 4%。5年生は「普段の生活や社会に出て役立つから」
6 5 % 。6年生は「将来好きな仕事につくのに役立つから」6 5 % 。各学年とも、6割以上が
「仕事に役立つ」と答えていた。ほかに、「受験に役立つ」も各学年で5割弱あった。

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