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2016年8月31日

高3志望大学 私立が人気回復

 関東、東海、関西の高校3年生に、志願したい大学をたずねたところ、関東ではこれまでと同様
に私立志向が強かった一方、国公立志向が強かった関西・東海でも、私立志向が強まっていること
がリクルート進学総研の調査でわかった。調査は今年4月、各エリアの高校3年生に大学に対す
る志願度、知名度などを調査し、約7,900人の回答を分析した。
 国公立と私立のどちらに行きたいかという質問では、関東では国公立33.7%、私立54.6%で、
2008年の調査開始以降、私立志向が過半数を占めている。東海は逆に国公立5 5 . 1 % 、私立
34.2%だったが、昨年より私立が1.3ポイント伸びた。関西では昨年、国公立志向が高まり、
調査開始以来最も高くなったが、今年は私立が45.1%(昨年比4.4ポイント増)となり、国公立
の43.5%(同3.4ポイント減)を上回った。
 同社は、0 9 年から1 3 年にかけ、リーマンショックや東日本大震災などを経た不況で国公
立志向が強まったが、14年はアベノミクスによる景気回復への期待や東京オリンピック招致決定
などで、私立志向が強まった。そして、15年には消費増税の影響で、関西・東海で再び国公立志向
が強まったが、16年は消費増税先送りで、関西・東海で私立志向が回復した。大学生の7割以上
が私立大学に進学している現状では、景気の状況が進路選択に大きな影響を与えているとみている。
 また、高校生が進学したいと考える分野を前年と比較すると、3エリア共通で「経済・経営・商」
「文学」「人間・心理」「哲学・宗教」の4分野が増加。その一方で、これまで人気を集めてきた
「理学」「薬学」「医療・保健・衛生」「教育・保育」は3エリア共通で減少に転じた。就職状況が改善し
たことで、文系分野を希望する高校生が増加している。
 「志願したい大学」ランキングの1位は、関東は8年連続で明治大学、関西では9年連続で関西
大学。東海では昨年2位の名古屋大学が3年ぶりに1位になった。また、「知っている大学」ラン
キングでは、関東は昨年に続き早稲田大学、東海も昨年に続き名古屋大学が1位。関西では、昨年
3位の近畿大学が4年ぶりに1位になった。

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