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2016年7月27日

教科「日本語」3年目の効果と課題

 佐賀県鳥栖市教育委員会は、日本の言語や文化に親しみ、日本語の持つ美しさや、日本人が
持っている感性、情緒を養うことなどを目標に、2 0 1 4 年度から独自の教科書を作成し、教科
「日本語」を指定校で試行。翌15年度には、市内全小中学校に導入した。
 導入から3年目を迎えるにあたり、今年2月末、児童生徒約7000人とその保護者、日本語
を担当している教職員を対象にアンケートを実施した。その結果、児童生徒の8割以上が「日本
語の学習が好き」と回答。「日本はいいな」「鳥栖市はいいな」という回答も8割を超えた。
授業でははしの持ち方や電話の受け答え、公共機関でのマナーなども学ぶ。こうした「礼儀作法
を意識しているか」については、小学生の9割、中学生の7割が生活のなかで実践していた。
 保護者も9割が日本語学習を支持し、「家庭でも役立っている」との声が寄せられた。教職員も
8割が日本語授業を肯定的にとらえていた。一方、課題として、保護者からは「国語との違いが
わからない」、「国語、算数の充実を」、「英語が大事」との意見があった。また、教職員は、
「教育研究や事前準備ができたか」という質問に、3分の1が「あまりできなかった」
「できなかった」と回答し、9割を超える教職員が「日本語の授業は難しい」とし、試行錯誤
している姿が浮かんだ。
「日本語」教育は、「深く考える子どもを育成する」、「自分を表現することができ、コミュニケー
ションができる子どもを育成する」、「日本の文化を理解し大切にする子どもを育成する」ねらいで、
東京都世田谷区が全国に先駆け、03年度から取り組んでいる。
0 4 年1 2 月には「世田谷『日本語』教育特区」の認定を受け、07年度から区立全小中学校で導入されている。

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